今日は「ベースを始めたら、ロックやファンクだけじゃなくてジャズも並行してやった方がいい理由」という話をします。
「ベースを始めたばかりなのに、ジャズなんて難しすぎる」
多くの人がそう思うと思います。実際、その感覚は間違っていません。
結論から言うと、これは意識高い系の話でも、根性論でもなくて、
実際に一流のベーシストたちが通ってきた道だからです。
ベースを始めたら、ロックやファンクと並行してジャズもやった方がいい理由
ロック、ファンクだけだと「指は動くけど、音楽が見えなくなる」
ベースを始めると多くの人がまずロックやファンクから入りますよね。
それ自体は全然悪くないです。ただ、問題は
TAB譜だけを見て
指板の形だけ覚えて
でも今、自分が何のコードを弾いているか分からない。。。
という状態になりやすい。
指は動くようになるんですけど、つまり音楽を理解する脳が育ちにくいんですね。
ジャズをやると「コードから音楽を見る」ようになる
一方で、ジャズをやるとどうなるか。
この曲のキーは何か?
今のコードは何か?
そのコードに対して、どの音を弾いているか?
こういうことを考えさせられます。
ジャズは「アドリブで弾く音楽」なので、自分で理解しなくては弾けません。
そうすると自然と音楽の構造が見えるようになるんです。
結果として、曲を覚えるスピードが本当に何倍も速くなる。
ジャズは最初が特に大変
ジャズは最初から
音楽理論
コード
スケール
構成理解
など、覚えることが非常に多く、スタート地点はかなりしんどい音楽です。
ジャズは最初、成長スピードがとにかく遅い
正直に言うと、ジャズを始めた最初の頃は
「全然うまくなっている気がしない」、「弾けないことだらけ」という状態が続きます。
ロックやポップスのように
TAB譜を見てすぐ1曲弾ける、という快感は少ないです。
成長曲線で言うと、こんな感じになります。
最初:ほぼ横ばい
努力の割に成果が見えにくい
ここでやめてしまう人が多いのも事実です。でも、ある時点から一気に伸び始める
ところが、ジャズを続けていると、あるタイミングから急に世界が変わります。
コードを見ただけで音の方向性が分かる
曲の構成が自然に頭に入る
初めての曲でも対応できる
メロディーが「覚えられる」ようになる
成長曲線は指数関数的に伸びます。
これがジャズの最大の特徴です。
TAB譜だけで弾き続けた場合に起こりがちなこと
一方で、音楽理論をほとんど考えずに
TAB譜だけを見て弾き続けた場合どうなるか。
指は動くようになる
フレーズは弾ける
でも「何を弾いているか」は分からない
この状態だと、
新しい曲を覚えるのが遅い
応用がきかない
似たレベルでずっと停滞する
ということが起こりやすくなります。
成長曲線で言うと、最初はすごく伸びる。でも途中からほぼ横ばいになりがちです。
実は伝説的ベーシストの多くはジャズ出身
ここが一番大事なポイントなんですが、ポップやロックで有名になったベーシストの多くは、 もともとジャズミュージシャンです。
例えば──
ジェームス・ジェマーソン
Motownサウンドを作った伝説のベーシストですが、
彼はもともとジャズ志向のプレイヤー。
ウォーキングベース的な発想や、
コード感の強さは完全にジャズ由来です。
キャロル・ケイ
LAセッション界のレジェンド。彼女は1万本以上のプロダクションに参加したと言われています。
もともとはジャズギタリストで、理論もリズムも完全にジャズ。
それをポップスに落とし込んだ結果、あの洗練されたベースラインが生まれています。

ピノ・パラディーノ
フュージョン、ジャズ的素養を持ちながら、
ポップ/R&B/ロックで世界的評価を得たベーシスト。
音数は少ないけど、どのコードで何をしているかが明確。
これもジャズ的思考ですね。

椎名林檎さんのプロデューサーとしても有名な亀田誠治さん
ジャズを弾くかは分かりませんが、椎名林檎さんのプロデューサーとしても有名な亀田誠治さんも音楽理論など色々な音楽の知識があるから曲をプロデュースできるわけです。
問題は「指」ではなく「脳」
ここで大事なのは、ロックやファンクが悪い、という話ではありません。
問題は
「指だけ動いて、脳が音楽を理解していない状態」
になってしまうことです。
音楽を長く続けたい人ほど、
コード
度数
構成
機能
こういった考える力が、あとから必ず必要になります。
だからこそ「並行して」ジャズをやる。
最初からジャズ一本でやれ、という話ではありません。
おすすめなのは、
ロック・ファンク → 楽しさ・身体性
ジャズ → 理解力・分析力
この並行です。
たとえば、ロックで弾いている曲のコードを考えてみる
ジャズでやっている理論をロックに当てはめてみる
これだけで、吸収スピードは何倍にもなります。
誤解してほしくないのは、
* ロックが悪い
* ファンクが簡単
という話ではありません。
むしろ、
* ロック、ファンクで指を鍛えつつ
* ジャズで頭を鍛える
この並行が一番強い。
実際、歴史的に見てもそれをやってきた人たちが長くいつまでも評価されています。
まとめ
ベースを始めたら、
* ロックやファンクを楽しみつつ
* ジャズも少しずつ並行する
これだけで、
* 音楽の理解
* 曲の覚えやすさ
* 演奏の説得力
全部が変わってきます。
だから僕は、
「ベースを始めたら、早めにジャズもやった方がいい」
と思っています。



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